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5.3.4 隔壁構造
(1)隔壁板
一般に水密区画に浸水することは船の一生を通じて育ってはならないことではあるが、万一海難によって浸水したときは隔壁に対しては船の沈没を防ぐことのみを要求し、隔壁に永久変形を生ずることはやむを得ないことと考える。そこで隔壁板が塑性膜状態に入るときの荷重に対し安全率を1とする。
隔壁構造はトランスリング相当部分はそれぞれ船底肋板、船側横肋骨、甲板横置ビームのウェブに等しい板厚として各部縦通部材を強固に取付け、その内方を薄板構造とするのが普通である。
計算水圧は船首尾隔壁ではキール上面から船体中心線における上甲板までの垂直距離、その他の隔壁では船の長さの中央における満載喫水の2倍の値と、その位置におけるキール上面から船体中心線における上甲板までの垂直距離のうち小なる値に相当する水圧とする。
約200隻の高速艇について略算したところ、浸水時の喫水が満載喫水の2倍になるためには、浸水する区画の長さが少なくともLの約60%となり、浸水時の喫水を満載喫水の2倍とすることは十分に安全サイドにある。なお、計算水圧はキール上面における静水圧に設定しているので、肋根深さ分がさらに余裕となる。
トランスリングに相当する部分以外の隔壁板の厚さは、次の二つの算式で算定した厚さ(t1)、(t2)のうち大なる値以上とする。

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表5.37に計算例を示す。
(2)立防撓材
隔壁防撓材は立防撓材を主体とし、必要に応じ水平桁を設ける方針とする。
立防撓材は計算を簡単にするため下端h、上端0の三角荷重に対し計算する。立防撓材が変形しても破断しない条件として、引張強さに対し安全率を1.3以上とする。
有効な肘板固着に対しては固着端においては肘板により応力が低下するので、肘板を外れた

 

 

 

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